作品の解説
かなりの年月が経過していても、金襴手の輝きが衰えず光を放っています。一方で、割取の中には人物、花鳥、雪をかぶった山(富士山に似た)と近くの樹々の図などが日本画のように描かれています。金襴手と色絵が織りなす多彩な絵付です。
サイズ 径 約21.5cm 高さ 約4.5cm 高台径 約9cm
割取を大きくとり、中でも一番大きな団扇型の割取には“月夜にお伴を連れて笛を吹く貴人”といった風情のある図案が描かれています。他の割取には花鳥、雪をかぶった山などの遠景が描かれています。
雪をかぶった山と樹々を一つの割取の中にまとめています。赤丸雪山の作品には雪景色を描いている作品が他にもあり、自分の号“雪山”に思い入れがあったようです。
一変して、裏には大きな実った柘榴が手の込んだ絵付されています。
輪花型の台鉢で、高台の高さが約2cmと他より幾分高く、内側に深く切り込んでいます。この頃としては珍しい成形です。
銘は「九谷/雪山堂」です。他には「雪山製」「赤丸雪山堂製造」「雪山堂画」(井上商店製の作品)などがあります。
作品の制作者 赤丸 雪山
文政10年(1827)生、明治30年(1897)歿
赤丸雪山は明治初期から中期の金沢九谷の名工の一人です。石川県勧業試験場の陶画教授として、そして内海吉造の為絢社で活躍したことがわかっています。
また、江沼郡大聖寺の陶器商人 井上商店の作品に陶画工として名を連ねていることから、その名声は高かったことがうかがわれます。
門下に明治九谷の名工の一人 水田生山がいました。
管理№ | 18112413 |
展示開始年月日 | 2019.10.10 |
売却 | 売却済み |
備考 | 購入者のご厚意で画像を掲載しています |