中央に「吹屋弁柄」で絵付された大黒様の大袋が目に入ってきます。大黒様は農業の神様、大袋の向こうに恵比寿様、いずれも商売の神様で明治期に置物になるなど九谷焼の人気の題材になりましたが、三枚の“なます皿”では、橋田 与三郎は赤絵金彩のところを変えて、注文主から希望で時々制作したと思われます
サイズ 径 約11.7㎝ 高さ 約2.5㎝
与三郎はこの三枚の小皿の上に、恵比寿様と大黒様を表情豊かに描かれ、また、大袋の鮮やかな赤色が金の線描によってより豊かさを表わし、斉田伊三郎から伝授した二度焼の技法が活かされたようです
三枚の小皿とも“なます皿”で、縁にいくほど上に反っていますが、その縁は赤色で塗られ、亀甲文や他の吉祥文が間隔を置いて描かれ、裏側にも赤色で文様が描かれています。