石野竜山の作品と陶歴

石野竜山の作品

赤絵金彩秋草図水滴

墨を摺るため硯に水を注ぐための小さな器が“水滴”です。それだけの道具とはいえ、注ぎ口に鳳凰の頸から頭の部分が、そして把手に龍の頭から尾まで縮めて彫られています。(続く)

 

四君子福長寿字蓋付き碗

三組の蓋付きの碗にはそれぞれ三つの窓があり、“四君子”の草木、蓋には福(幸福)・長・寿”の三文字、折り鶴、そして市松模様などいろいろな図案や文様が描かれています。(続く)

 

石野竜山の陶歴

初代 石野 竜山(兵太郎)

文久元年(1861)生、昭和11年(1936)歿

初代 石野竜山は、中浜 竜淵、垣内 雲嶙に絵画を、八田 逸山に陶画を学んだ後、明治16年(1883)、22,3歳のころ、金沢市内に大中小三つの錦窯を築き、職人2人を使って陶画業を始めました。

竜山の作品には繊細緻密な人物、山水、花鳥の図案が描かれ、その巧みさは当代陶工の中で群を抜いていたといわれます。竜山の作品は、国内の展覧会のみならず、サンフランシスコ万国博覧会などの国内外の展覧会にも出品され入賞しました。

また、竜山は、小松の松原新助窯のところで、素地と釉薬との相性をよく研究して釉薬について高い技術力を持つに至ったといわれます。明治35年(1902)、上絵釉を用いて、釉下彩に近い黄彩、緑彩や、染付藍、茶褐釉、淡縁釉、桜色氷裂釉、真珠釉などの新技法を次々に開発しました。このような釉薬研究によって画家のような感覚で新しい釉薬を生み出し、図案や文様を絵画的なものに仕上げることに努めた名工でした。